墓じまいの後、遺骨はどうする?4つの選び方を比較

しおん2026年08月10日

墓じまいの後、遺骨はどうする?4つの選び方を比較

墓じまいで取り出したご遺骨の行き先は、大きく「樹木葬」「海洋散骨」「納骨堂」「手元供養」の4つです。改葬許可の申請書には新しい行き先を書く欄があるため、多くのケースで、ここが決まらないと手続きが前に進みません。まずご家族で「これからもお参りをしたいか」を確認するのが近道です。

この記事でわかること

  • 遺骨の行き先を先に決めないと、改葬許可の手続きが進まない理由
  • 4つの選択肢を「費用・承継・お参り・遺骨の扱い」で比べた一覧表
  • 複数のご遺骨があるとき、古いご遺骨があるときの実務的な考え方

なぜ「遺骨の行き先」から決めないといけないの?

墓じまい(改葬)には、今のお墓がある市区町村が出す「改葬許可証」が必要です。

この申請書の書き方は法律で決まっています。墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条では、申請書に「改葬の理由及び改葬の場所」を記載すると定められています(厚生労働省 法令等データベース、昭和23年厚生省令第24号)。

つまり、新しい納骨先が空欄のままでは申請書が完成しません。「まず石材店に頼んでお墓を撤去し、遺骨の行き先は後から考える」という順番は取れないのです。

周南市でも、申請書には現在の墓地・納骨堂の管理者による埋蔵証明が必要で、手数料は無料です(周南市「改葬許可に伴う申請について」)。

必要書類の一覧、様式のダウンロード先、窓口の場所は改葬許可申請の窓口はどこ?周南市の手続きにまとめました。この記事では「行き先をどう決めるか」に絞ります。

自治体によっては、新しい納骨先が発行する「受入証明書」の添付を求められることもあります。どちらにしても、行き先が先です。

ただし、散骨だけを選ぶ場合は墓地への納骨にあたらないため、改葬許可の要否が自治体で分かれます。この点は後半のQ&Aで触れます。

なお周南市のページでは、自宅の庭や所有地に遺骨を埋めることは同法違反にあたる、と注意喚起されています。「とりあえず庭に」はできません。

費用と全体の流れは墓じまいの費用相場と流れでまとめています。

ちなみに墓じまいは特別なことではなくなりました。厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」(2025年10月21日公表)によると、2024年度の改葬件数は全国で176,105件。前年度の166,886件から約9,200件増えました。

山口県内は4,752件です。前年度の4,878件からはわずかに減っていますが、それでも県内で年間4,700件を超える墓じまいが行われている計算になります。

墓じまい後の遺骨、4つの選択肢はどう違う?

樹木葬あじさい霊園の全景(山口県周南市下上)
樹木葬あじさい霊園の全景。6月には約200株のあじさいが咲きます(山口県周南市下上2215-1)

墓じまい後の遺骨・4つの選択肢の違い
墓じまい後の遺骨・4つの選択肢の違い(タップで拡大)

比べるポイントは4つだけです。費用、承継者(あとを継ぐ人)が要るかどうか、お参りができるか、そしてご遺骨がどう扱われるか。

方法 費用の目安 承継者 お参り ご遺骨の扱い
樹木葬 当園は29万円(税込31.9万円)〜 不要 区画に行ける 粉骨して土に還す(当園の場合)
海洋散骨 当社は6万円(税込6.6万円)〜 不要 決まった場所はない 粉骨して海へ。分骨すれば一部を手元に残せる
納骨堂 施設により幅が大きい 施設による(期限つきが多い) 屋内で天候に左右されない 骨壺のまま安置が中心
手元供養 数千円〜数万円 不要だが次の代で再検討 自宅で毎日 一部を手元に。残りは別の方法へ

※2025年11月開設の第2区画の価格です。

樹木葬:お参りの場所を残しつつ、承継を手放す

お墓を継ぐ人がいなくても持てて、それでいて「会いに行ける場所」が残ります。

樹木葬あじさい霊園では、粉骨して土に還す方式のため、価格を抑えられています。

鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査」(2026年3月5日発表/2025年に「いいお墓」経由で購入した1,267件)では、一般墓の平均購入額は152.0万円、樹木葬は71.7万円でした。当園は総額29万円(税込31.9万円)から、4〜8霊の区画でも54万円(税込59.4万円)です。

費用の内訳は樹木葬の費用相場と内訳で解説しています。

年間護持費は0円、期限を設けて合祀(ごうし=他の方と一緒に埋葬すること)へ移す運用もしていません(合祀や永代供養の仕組みは永代供養とはで解説しています)。

正直にお伝えすると、土に還す方式なので、あとから「やっぱり別の場所へ」と取り出すことはできません。ここは事前にご納得いただく必要があります。

詳しくは樹木葬のデメリット7つもあわせてお読みください。

海洋散骨:場所も管理も残さない

「子どもに何も残したくない」「海が好きだった」という方に選ばれます。

周南海洋散骨センターでは、ご家族が乗船しない代行散骨が6万円(税込6.6万円)から。ご家族で乗る貸切クルーズ(3名まで)は15万円(税込16.5万円)からです。

こちらも取り消しはできません。散骨後にご親族から異論が出ることもあるため、事前の合意が何より大切です。厚生労働省も「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(令和2年度厚生労働科学特別研究事業、2021年3月)で、事業者が守るべき場所や手順を示しています。

海洋散骨とは?費用と流れで詳しく解説しています。県内の海域や出港地については山口県の海洋散骨もご覧ください。

納骨堂:屋内で天候に左右されない

雨の日でもお参りしやすく、駅近の施設もあります。一方で、使用期限を過ぎると合祀へ移る契約が多く、年間管理費がかかる施設もあります。

違いは樹木葬と納骨堂の違いにまとめました。

手元供養:手放せない気持ちの受け皿

小さな骨壺やペンダントに、ご遺骨の一部を納めて自宅に置く方法です。自宅で保管すること自体は法律違反ではありません。

ただし、その手元のご遺骨も、いずれどなたかが行き先を決めることになります。「最終的な行き先を決めたうえで、一部だけ手元に」という組み合わせが現実的です。

手元供養とはもご覧ください。

複数のご遺骨があるとき、全部同じ方法にしないといけない?

いいえ、そんな決まりはありません。ここが一番誤解されている点です。

古いお墓を開けると、3柱、5柱、ときには8柱以上のご遺骨が出てくることは珍しくありません。

そのとき「全員まとめて散骨」「全員まとめて樹木葬」と決めてしまうと、後からご親族の気持ちが割れることがあります。顔を知らない曾祖父母と、去年見送ったお母様とでは、ご家族の思い入れが違っていても自然だからです。

実際によくあるのは、こんな分け方です。

  • 面識のない代のご先祖:まとめて樹木葬へ
  • 直接お世話になった親御さん:同じ樹木葬の区画に、名前を刻んで
  • 海が好きだったお父様:海洋散骨で
  • お母様のご遺骨の一部だけ:手元供養で自宅に

当社は樹木葬あじさい霊園と周南海洋散骨センターの両方を運営しています。だからこそ「このご遺骨は霊園へ、こちらは海へ」という組み合わせを、別々の会社に相談し直すことなく、一度の打ち合わせで決められます。片方に誘導することはしませんので、比べたいだけでもご相談ください。

当園の区画は1霊から8霊まで対応しており、1霊なら29万円(税込31.9万円)、4〜8霊なら54万円(税込59.4万円)です(永代管理料と白御影石の石板彫刻を含む総額)。まとめて改葬する場合は、この4〜8霊の区画が使われることが多くなっています。

古いお墓から出したご遺骨は、そのまま納骨できる?

多くの場合、そのままでは納められません。

昔のお墓は底が土のままの構造も多く、開けてみると骨壺の中に水が溜まっていたり、ご遺骨が土に還りかけて土と混ざっていたりします。骨壺そのものが割れていることもあります。

そのため、いったん乾燥させ、粉骨(ふんこつ=ご遺骨を粉状にすること)する工程が入るのが一般的です。

  • 海洋散骨:粉骨が事実上の前提です(そのままの形状では散骨できません)
  • 樹木葬あじさい霊園:粉骨して土に還す方式のため、粉骨が必要です
  • 納骨堂:骨壺のまま納める施設が多いですが、サイズ指定があります

粉骨すると容積が3分の1程度まで小さくなるため、複数のご遺骨を一つの区画に納めやすくなるという実務上の利点もあります。

詳しくは粉骨とはをご覧ください。

迷ったら、どの順番で決めればいい?

遺骨の行き先、決める順番5ステップ
遺骨の行き先、決める順番5ステップ(タップで拡大)

費用から入ると、たいてい後悔します。おすすめの順番はこうです。

1. お参りをしたいか、家族に聞く

「これから先、手を合わせに行きたい場所が欲しいですか」。この一問で、樹木葬・納骨堂の側か、散骨の側かがほぼ決まります。ここを飛ばすと、あとで「相談してくれなかった」という話になりがちです。

2. 誰が管理するかを考える

継ぐ人がいない、子どもに負担をかけたくないのであれば、承継が不要で年間費用のかからない方法に絞られます。お墓の跡継ぎがいないときもご参照ください。

3. ご遺骨を柱ごとに仕分ける

前章のとおり、全部同じにする必要はありません。

4. そのうえで費用を出す

墓石の撤去費、粉骨費、新しい納骨先の費用を合算します。

5. 行き先が決まってから、改葬許可を申請する

ここでようやく市役所です。順番を逆にすると二度手間になります。

よくあるご質問

Q. 遺骨の行き先が決まらないうちに、墓石だけ先に撤去できますか?

A. おすすめできません。改葬許可申請書に「改葬の場所」を書く欄があり、行き先が未定だと申請が整わないためです。先に納骨先を決めてください。

Q. 散骨する場合も改葬許可は必要ですか?

A. 散骨は墓地への納骨ではないため、取り扱いが自治体で分かれます。周南市の窓口へ事前確認するのが確実です(連絡先は改葬許可申請の窓口はどこ?周南市の手続きに記載しています)。散骨そのものの適法性は海洋散骨は違法?をご覧ください。

Q. 遺骨の一部だけ樹木葬にして、残りを海に散骨してもよいですか?

A. できます。柱ごとに方法を分けることも、一体のご遺骨を分けること(分骨)もできます。

ただし、分骨した一部を墓地や納骨堂に納める場合は書類が1枚増えます。墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条により、いま納骨されている墓地・納骨堂の管理者から「焼骨の埋蔵(収蔵)の事実を証する書類」(分骨証明書)を受け取り、新しい納骨先の管理者へ提出する決まりです。

墓じまいと同時に分骨するなら、改葬許可の申請段階で「何柱を、どこへ、いくつに分けるか」を伝えておくと、証明書の枚数で慌てずに済みます。当社にご相談いただければ必要な枚数を一緒に確認します。

Q. 何柱あるか分からないのですが、相談できますか?

A. 大丈夫です。開けてみないと分からないケースは多くあります。柱数が確定してから区画を決められますので、まずはご相談ください。

まとめ

  • 墓じまいは「遺骨の行き先」から決める。改葬許可申請書に改葬の場所を書く欄があるため、行き先が未定だと手続きが進まない
  • 選択肢は樹木葬・海洋散骨・納骨堂・手元供養の4つ。費用、承継の要否、お参りの可否、ご遺骨の扱いの4点で比べる
  • 複数のご遺骨を全部同じ方法にする必要はない。柱ごとに分けてよい
  • 古いご遺骨は土や水分を含むことが多く、乾燥と粉骨が必要になるのが一般的
  • 決める順番は、まず家族に「お参りしたいか」を聞くところから。費用は最後でよい

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樹木葬と海洋散骨、両方まとめてご相談ください

樹木葬あじさい霊園(山口県周南市下上2215-1/JR新南陽駅から車で約9分)は、宗派不問・檀家不要。年間護持費は0円で、期限を設けた合祀への移行もありません。

周南海洋散骨センターと同じ会社が運営していますので、「このご遺骨は霊園、こちらは海」といった組み合わせも一度でご相談いただけます。見学のみ、比較のみでも構いません。

株式会社原田屋 公式サイト

お電話:0120-976-864

引用した出典

監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)

最終更新日: 2026-08-04

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