樹木葬に親族が反対したら|家族の理解を得る話し方と折衷案
樹木葬2026年08月07日

樹木葬に親族が反対したとき、いちばんこじれるのは「今はこういう時代だ」と正論で返すことです。反対の多くは費用や制度ではなく、「故人が粗末に扱われるのでは」という不安から出ています。不安の中身を一つずつ言葉にし、最後は一緒に現地を見る。この順番がもっとも折り合いがつきます。
この記事でわかること
- よくある反対理由5つと、感情論に感情で返さない答え方
- 菩提寺(ぼだいじ)がある場合に、誰へどの順番で相談すればよいか
- それでも折り合わないときの、現実的な折衷案
なぜ樹木葬は親族に反対されやすいのですか?
樹木葬そのものは、もう珍しい選択ではありません。
株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」によると、2026年1月16日〜30日に実施された調査(有効回答1,267件)で購入されたお墓の種類は、樹木葬が47.4%ともっとも多く、次いで合祀墓・合葬墓16.4%、納骨堂15.5%、一般墓15.2%でした(出典: 株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」 https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12153/ )。
つまり、いま新しくお墓を買う人の約半数が樹木葬です。
それでも反対が起きるのは、「新しいから」ではなく「見たことがないから」です。
お墓といえば石を建てるものだった時代を生きてきた方にとって、樹木葬は言葉だけでは像を結びません。像を結ばないものは、不安の形でしか受け取れません。
当園に見学に来られるご家族を見ていて、はっきりした傾向がひとつあります。
強く反対されるのは、まだ現地を見ていない方であることが多いです。
遠方のご兄弟、伯父叔母、めったに会わない親戚。情報が伝聞でしか届いておらず、判断の材料がないまま心配だけが先に立っている、というケースが少なくありません。
反対されたとき、まず何をすればいいですか?
説得を始めないことです。
最初にやるべきなのは、反対の理由を最後まで聞くことだけです。
反対する人は、たいてい「家を大事にしてきた人」です。お盆に必ず墓参りをしてきた人、法事の日取りを覚えている人、お墓の草を抜いてきた人。その人の反対を「古い」と切ると、話は供養の話ではなく、その人自身を否定する話にすり替わります。
そして、感情には感情で返さないことです。
「お母さんだって歳を取ったらわかるよ」は反論ではなく攻撃です。返すのは、事実と確認できる情報にとどめます。
理由を聞くときは、次の3つのどれなのかを心の中で仕分けしてください。
- 故人やご先祖に対する申し訳なさ(供養の話)
- 親戚や近所への体裁(世間の話)
- 自分自身の将来の居場所への不安(その人自身の話)
3つは見た目が似ていますが、必要な答えがまったく違います。ここを混ぜたまま話すと、いくら説明しても平行線になります。
よくある反対理由5つには、どう答えればいいですか?

「墓石がないと寂しい」と言われたら?
この言葉のほとんどは、「手を合わせる場所がなくなる」という意味です。
ですから返すべきは思想ではなく、場所の説明です。どこに埋葬され、どの位置に名前が刻まれ、いつでも行けるのか。そこだけを具体的に伝えます。
樹木葬にはいくつか型があります。他の方と同じ場所に埋葬する合祀型では、個別のプレートは置かれないのが一般的です。
一方、区画が個別に分かれている型なら、石板やプレートに「○○家」やお名前を彫刻できる霊園が多くあります。
「石がまったくなくなる」とは限りません。どの型なのかを先に確かめてください。
「石の形が変わるだけで、手を合わせる場所はある」。ここが伝わると、この反対はかなりの割合でやわらぎます。
「ご先祖に申し訳ない」と言われたら?
これは論破してはいけない反対です。
有効なのは、逆から尋ねることです。「じゃあ、このお墓を誰が守っていくのがご先祖にとって一番いいと思う?」
無縁になって撤去されるお墓と、形は変わっても人が通い、手入れが続くお墓。どちらが申し訳ないのかを、一緒に考える形に持っていきます。
言い切ってはいけません。ご本人が答えを出すまで待つほうが、結果的に早く決まります。
「世間体が悪い」と言われたら?
これは事実で返せる、数少ない反対です。
先ほどの調査のとおり、いま購入されるお墓の約半数が樹木葬です。「うちだけが変わったことをする」という前提が、すでに事実と合っていません。
それでも気になると言われる場合は、相手を責めずにこう聞いてみてください。「具体的に、誰に何と言われるのが心配?」
たいていは特定の一人か二人の名前が出てきます。そこまで具体化できたら、その方に先に一言伝えておく、という実務の話に変えられます。
「安いから粗末に扱われるのでは」と言われたら?
価格の話ではなく、契約内容の話に移します。
確認すべきなのは、次の3点です。
- 個別で安置される期間はいつまでか(何年後に合祀(ごうし)へ移されるのか)
- 年間の管理費・護持費はいくらか、誰が払い続けるのか
- 手入れは誰が、どのくらいの頻度で行うのか
樹木葬は霊園によって条件がまったく違います。「13回忌まで個別、その後は合祀」という霊園も、期限を設けず個別のままの霊園もあります。
反対している方に、この3点を一緒に確認してもらうのが実は最善手です。批判者から検証役に役割が変わり、話が前に進みます。デメリット面は樹木葬のデメリット7つにまとめています。
「自分の入る場所がなくなる」と言われたら?
言葉には出にくいのですが、これがかなり多い反対理由です。
新しい樹木葬に移ると、自分は入れないのではないか。息子夫婦と一緒でいいのか。そういう不安が「先祖に申し訳ない」という言い方に化けて出てくることがあります。
樹木葬の区画は、1霊用から複数霊が入れるものまで種類があります。誰が入る想定なのかを、名前を挙げて紙に書き出してください。
「お父さんとお母さん、それから私たち夫婦の4人分」と具体化した瞬間に、反対が消えたご家族を何度も見ています。跡継ぎの前提を整理したい方はお墓は長男が継ぐもの?もあわせてご覧ください。
菩提寺がある場合、どの順番で相談すればいいですか?

順番を間違えると、いちばん大きなトラブルになります。
正しい順番は、次のとおりです。
- 家族(配偶者・子)の中で方針をそろえる
- 菩提寺(ぼだいじ)に「相談」として先に伝える
- 霊園を見学し、候補を絞る
- 改葬(かいそう)の手続きに入る
2と3を逆にしてはいけません。
理由は感情面だけではありません。手続き上、お寺の協力がないと先に進まないからです。
「墓地、埋葬等に関する法律」第5条は、改葬を行う者は市町村長の許可を受けなければならないと定めています(出典: e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048 )。
そして実際の申請書には、いま遺骨が納められている墓地の管理者による証明欄があります。周南市も「埋葬若しくは埋蔵、収蔵の事実証明欄に、現在納骨されている墓地や納骨堂の管理者の記名・押印が必要」と案内しています(出典: 山口県周南市「改葬許可に伴う申請について」 https://www.city.shunan.lg.jp/soshiki/18/1336.html )。
もうひとつ。申請する人がお墓の使用者(名義人)本人でない場合は、名義人の承諾書も添付が必要です(墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項)。反対している方が名義人であれば、そこが最初の関門になります。
つまり、お寺の墓地からお骨を動かすなら、お寺の協力なしには手続きが進みません。
契約してから事後報告に行くと、「話が違う」となるのは当然です。相談の形で先に伝えれば、多くのご住職は現実的に対応してくださいます。
また、樹木葬にすることと、お寺との縁を切ること(離檀・りだん)は必ずしも同じではありません。納骨先は別にして、法要は今までどおりお願いする、という形も選べます。
そこを分けて相談すると、話がやわらぎます。
なお、樹木葬あじさい霊園は宗派を問わず、檀家になっていただく必要もありません。ご希望の方には隣接する真言宗のお寺のお経をご案内していますが、必須ではありません。
手続きの詳細は改葬許可申請の窓口と墓じまいの費用相場と流れに整理しています。
なぜ「一緒に見学に行く」がいちばん効くのですか?

言葉で説得した回数より、現地に一緒に立った1回のほうが強いからです。
理由は3つあります。
ひとつめ。反対の中身が「知らないものへの不安」である以上、見れば不安の材料が減ります。写真では、草の手入れの状態も、駐車場から何歩なのかも、周りの音も伝わりません。
ふたつめ。一人で見学して報告すると、それは「勝手に決めてきた」になります。同席してもらえば、その人も決定に参加した人になります。ここが決定的です。
みっつめ。反対していた人ほど、現地では質問が具体的になります。「雨のときの水はけは」「何年後まで個別なのか」「うちの分は何人入れるのか」。批判が検討に変わる瞬間です。
同行をお願いするときのコツをひとつ。
「今日は決めないから、見るだけ来て」と先に約束しておくことです。
契約を迫られる場だと思うと、人は来てくれません。実際、当園でも見学のその日に決めていただく必要はありません。ご家族で持ち帰って話す時間があるほうが、後から揉めません。
最後に決め手になるのは何ですか?
「誰の気持ちを優先するか」ではなく、「10年後、20年後に誰が困らないか」です。
ここに話を移すと、議論の性質が変わります。感情の勝ち負けではなく、実務の割り振りになるからです。
紙に書き出してみてください。
- 年間の管理費を、これから何年、誰が払い続けるのか
- 草刈りと掃除に、誰が、年に何回行くのか
- その人が動けなくなったとき、次は誰が引き受けるのか
- 遠方に住む子や孫に、いつか負担が回らないか
そのうえで、反対している方にこう聞きます。「もし今のお墓を続けるなら、これを引き受けてもらえますか?」
責めるためではありません。引き受けられるのなら、従来のお墓を守り続けるのは立派に正しい選択だからです。
実際に「私が生きているうちは私が守る、その先はあなたたちが樹木葬にしていい」と決まったご家族があります。反対が消えたわけではありませんが、誰も困らない形にはなりました。それで十分です。
跡を継ぐ人がいない前提から考えたい方はお墓の跡継ぎがいないときをご覧ください。
それでも折り合わないときは、どうすればいいですか?
全部か無しかで考えるから決まらないのです。分けられます。
分骨(ぶんこつ)して一部を手元に残す
すべてを納骨せず、一部を手元供養(てもとくよう)として自宅に置く方法です。「遠くにやってしまう」という抵抗感が、これでかなり下がります。詳しくは手元供養とはへ。
世代で分ける
既存のお墓は当面そのままにし、自分たち世代の分だけ先に樹木葬を契約する。時間が反対をやわらげてくれることは、実際によくあります。
「家」の形を残す
石板に「○○家」と彫刻すれば、家名は残ります。「墓石がないと寂しい」という反対に対しては、これが一番現実的な着地点になることが多いです。
人数に余裕を持たせる
反対している方がいずれ入る可能性を残しておくと、話が収まりやすくなります。
樹木葬あじさい霊園の場合、永代管理料と区画使用料、石板彫刻(白御影石)を合わせた総合計は、1霊290,000円(税込319,000円)、2霊390,000円(税込429,000円)、3霊490,000円(税込539,000円)、4〜8霊540,000円(税込594,000円)です。年間護持費はいただいておらず、期限を設けた合祀への移行もありません。※2025年11月開設の第2区画の価格です。霊園の条件や区画の詳細はあじさい霊園の特徴にまとめています。
海洋散骨と組み合わせる
一部を海に還し、残りを樹木葬に納める形も可能です。「本人は海が好きだった」という希望と、「手を合わせる場所は欲しい」という親族の希望を、両方満たせます。詳しくは海洋散骨とはをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 親族全員の同意がないと、樹木葬の契約はできませんか?
A. 樹木葬の契約そのものに、親族全員の同意は法律上必要ありません。ただし既存のお墓から遺骨を移す改葬には市町村長の許可が必要で、申請書には現在の墓地管理者による埋蔵の事実証明が要ります。さらに、申請者が墓地の使用者(名義人)でない場合は、名義人の承諾書の添付が求められます。名義人が反対している場合は、まずその方と話をまとめる必要があります。
Q. 菩提寺に樹木葬のことを伝えたら、怒られませんか?
A. こじれるのは事後報告のときです。契約前に「相談したいことがある」という形で伝えれば、法要は継続するなど現実的な着地点を示してくださるご住職が多いです。
Q. 反対している親戚にも、費用を出してもらうべきですか?
A. 原則は、決める人と管理を担う人が負担します。費用も管理も引き受けない方の意見は聞きますが、それだけで決定を止めない、と最初に線を引いておくと進みます。
Q. 後から「自分も入りたい」と言われたら、追加できますか?
A. 区画ごとに入れる人数が決まっているため、余裕のある区画を選んでおくと対応しやすくなります。契約前に何名まで入れるかを必ず確認してください。
Q. 樹木葬そのものをまだよく知りません。何から読めばいいですか?
A. 埋葬の方法や種類の違いから確認するのが早道です。基本は樹木葬とは、費用の内訳は樹木葬の費用相場と内訳にまとめています。
まとめ
- 反対の多くは「新しいから」ではなく「見たことがないから」。まず理由を最後まで聞き、供養・世間体・自分の居場所の3つに仕分ける
- 感情に感情で返さない。契約内容(個別安置の期間・管理費・手入れ)を一緒に確認してもらうと、批判者が検討役に変わる
- 菩提寺がある場合は、霊園契約より先に相談する。改葬許可の申請には現在の墓地管理者の証明が必要で、申請者が名義人でなければ名義人の承諾書も要る
- もっとも効くのは「一緒に見学に行く」こと。今日は決めないと先に約束すると同行してもらいやすい
- 決めるべきは誰の気持ちが勝つかではなく、10年後20年後に誰が困らないか。折り合わないときは分骨・手元供養・世代で分けるなど、分割して考える
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ご家族そろっての見学を承っています
「今日は決めない」前提のご見学で構いません。反対しているご家族と一緒にお越しいただくほうが、後々のトラブルが減ります。
樹木葬あじさい霊園は山口県周南市下上2215-1、JR新南陽駅から車で約9分。あじさい約200株に囲まれた、元は田んぼだった場所です。ご相談・ご見学のご予約はお電話でお気軽にどうぞ。
公式サイト: https://www.haradaya.co.jp/
お電話: 0120-976-864(株式会社原田屋)
【引用した出典】
- 株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」 https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12153/
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(第5条) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(第2条第2項) https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100024
- 山口県周南市「改葬許可に伴う申請について」 https://www.city.shunan.lg.jp/soshiki/18/1336.html
監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)
最終更新日: 2026-08-04

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