お盆にお墓参りへ行けないとき|うしろめたさと現実的な選び方
しおん樹木葬2026年08月14日
お盆にお墓参りへ行けないことを、気に病む必要はありません。お盆にお参りしなければならないという決まりは、どこにもないからです。
そのうえで、数字をひとつお伝えします。墓じまいを考える理由の第1位は「お墓が遠方にあること」で52.0%。あなただけの事情ではありません。
この記事でわかること
- 「お盆に行かないといけない」という決まりが本当にあるのか
- 今年、行けないときにできること
- 毎年行けない状態が続いたとき、お墓に何が起きるのか(法令で定められています)
この記事では「お墓を移しましょう」とは言いません。 動かないという判断も、立派な選択です。ただ、判断するための材料はお渡しします。
お盆にお墓参りへ行かないと、いけないのですか?
いけない、という決まりはありません。
お盆にお参りする習慣は各地の風習として根づいたものであり、法律にも、多くの宗派の教義にも「お盆に墓参すべし」という定めはありません。
むしろ宗派によっては、考え方そのものが違います。浄土真宗本願寺派は公式サイトで、お盆を迎えるにあたって「特別な準備は必要ありません」とし、亡くなった方は阿弥陀仏とともにいつも私たちを見守ってくださっていると説明しています。「お盆にだけ帰ってくる」とは考えないのです。
その受けとめ方に立てば、お参りに行ける日が、その方にとってのお盆ということになります。
行けない人は、どのくらいいるのですか?
少数派ではありません。
株式会社鎌倉新書が2026年1月16日〜23日に実施した「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査」(有効回答733件)では、改葬・墓じまいを検討した理由の第1位が「お墓が遠方にある」で52.0%、第2位が「継承者がいない」で44.1%でした。

同じ調査で、改葬・墓じまいの実施経験者の割合は、前回調査の39.9%から45.2%へ増えています。
行政の統計でも同じ傾向が出ています。厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」によれば、2024年度の改葬件数は全国で176,105件。前年度の166,886件から約5.5%増え、過去最多を更新しました。山口県内だけで4,752件です。
「遠くて行けない」は、いま最も多い悩みです。
今年、行けないときにできること
お墓を動かす話の前に、今年のことです。

時期をずらす
お盆に行けないなら、秋のお彼岸でも、年末でも、来年の連休でも構いません。お参りの時期に決まりはありません。 空いている時期のほうが、ゆっくり手を合わせられます。
自宅で手を合わせる
仏壇があれば仏壇で、なければ写真の前で構いません。手元供養として遺骨の一部を分けてお手元に置いている方は、それに向かって話しかけるという形もあります(手元供養とは)。
形式より、思い出す時間があることのほうが大切です。
墓地の管理者に、状況を電話で聞く
見落とされがちですが、有効です。「しばらく行けていないのですが、どんな状態でしょうか」と管理事務所に尋ねると、雑草の具合や、区画に問題がないかを教えてもらえることがあります。
管理費の支払い状況も、このときに確認してください。 これが後述する問題の入口になります。
代行を頼む
お墓参りの代行や、清掃を請け負うサービスは各地にあります。石材店や霊園が受けている場合もあるため、まずはお墓のある霊園・墓地の管理者に、代行を扱っているか尋ねるのが確実です。菩提寺にお願いできることもあります。
毎年行けない状態が続くと、お墓はどうなりますか?
ここは正確にお伝えします。
放置してすぐに撤去されることはありません。 ただし、管理費が納められない状態が続くと、最終的には「無縁墳墓(むえんふんぼ)」として整理される手続きが定められています。
墓地、埋葬等に関する法律施行規則の第3条は、縁故者のいない墳墓を改葬する場合の手続きを定めています。墓地の管理者は、
- 死亡者の本籍・氏名、墓地使用者や縁故者に対して1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、
- かつ無縁墳墓等の見やすい場所に立札を設置して1年間掲示して公告し、
- その期間中に申し出がなかった旨を記載した書面
を添えて、改葬許可を申請することになります。写真・位置図・立札の写真も必要です。
つまり、官報公告と立札の掲示で1年間待つという重い手続きです。管理者側も簡単には動けません。
ですから「来年行けなかったら撤去される」ということはありません。ただし、管理費を納め続ける人がいなくなった時点から、時計は動き始めます。
いちばん多い失敗は、お墓の存在そのものが次の代に伝わらないまま、管理費の請求だけが宙に浮くことです。
実際に動いた方は、どこへ移していますか?
同じ鎌倉新書の調査では、改葬先として選ばれたお墓の種類は次のとおりでした。

もっとも多いのは永代供養(合祀・合葬墓)の43.2%、次いで樹木葬が24.1%です。一般墓から一般墓へ移す方(14.3%)は、いまや少数派になりました。
費用は「31万円〜70万円」が31.3%でもっとも多く、「30万円以下」が16.8%。一方で「151万円以上」も14.0%あります。墓石の解体費用は区画の広さと立地(重機が入れるか)で大きく変わるためです。
大変だったこととしては「改葬先選び」38.8%、「役所の手続き」32.3%が挙がっています。手続きの流れは改葬許可申請のやり方にまとめています。
なお、墓じまいを途中で中止した理由の第1位は「解体費用が高い」22.2%。次いで「先祖へのうしろめたさ」11.1%、「家族・親戚の理解不足」7.8%でした。お金の問題と同じくらい、気持ちの問題で止まっているのです。
何から始めればよいですか?
「墓じまい」と決めてから動く必要はありません。順番に確かめていけば十分です。

急がなくて構いません。ただ、お盆でご親族が集まっているいまは、①と②を確かめる絶好の機会です。人が揃っている場でしか出てこない話があります。
よくあるご質問
Q. お墓参りに行かないと、故人に失礼になりますか?
A. なりません。お参りの回数と気持ちは別のものです。浄土真宗のように「亡くなった方はいつも見守ってくださっている」と説く宗派もあります。行ける日に行けば十分です。
Q. 何年もお参りしていません。急に行っても大丈夫でしょうか?
A. 大丈夫です。ただし雑草や落ち葉で足元が悪くなっている可能性があります。軍手・ゴミ袋・鎌を持参し、暑い時期を避けて行かれることをおすすめします。事前に管理事務所に連絡しておくと、状態を教えてもらえます。
Q. 管理費を滞納しています。どうすればよいですか?
A. まず管理者に連絡してください。事情をお伝えすれば、分割や猶予に応じてもらえることがあります。放置がいちばんよくありません。連絡が取れている限り、無縁墳墓としての手続きに進むことはまずありません。
Q. 遠方のお墓を、いま住んでいる場所の近くに移せますか?
A. できます。これを改葬といい、いまお墓がある市区町村が交付する「改葬許可証」が必要です。申請先は移転先ではなく現在お墓がある自治体ですのでご注意ください。詳しくは改葬許可申請のやり方をご覧ください。
Q. 墓じまいをすると、先祖に申し訳ない気がします。
A. その感じ方を持つ方は多く、調査でも中止理由の上位に挙がっています。ただ、墓じまいは「お墓をなくす」ことではなく、供養の形を移すことです。遺骨は必ずどこかへ納めます。むしろ、誰もお参りできなくなった状態を放置するほうが、結果的に無縁墳墓へ向かいます。
Q. 樹木葬に移すと、その後の管理はどうなりますか?
A. 霊園によって異なります。年間管理費が必要なところと、不要なところがあります。あじさい霊園は年間護持費0円です。ただし「管理費不要」は「永久に個別のまま」を意味しません。ここは契約書の確認が要ります(合祀されない樹木葬とは)。
まとめ
- お盆にお参りしなければならないという決まりはない。時期をずらしてよい
- 「お墓が遠方にある」は墓じまいを考える理由の第1位で52.0%。少数派ではない
- 放置してすぐ撤去されることはないが、管理費が納められなくなると官報公告と立札掲示を1年間行う無縁墳墓の手続きが始まる。まずは管理者に連絡を
出典
- 株式会社鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(2026年1月16日〜23日実施、有効回答733件)
- 厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」年度報 第6表(全国176,105件、山口県4,752件)
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年厚生省令第24号)第3条
- 浄土真宗本願寺派「お盆を迎える心持ち」
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決める前に、見るだけでも構いません
「移すかどうか、まだ決めていない」という段階でのご見学が、いちばん多いです。決めてから来られる方のほうが少ないくらいです。
樹木葬あじさい霊園では、ご見学の際に使用規則の現物をお見せしています。何年で合祀になるのか、管理費はどうなるのか——他の霊園と比べるための材料としてお持ち帰りいただけます。
樹木葬あじさい霊園(山口県周南市下上2215-1・岩屋寺に隣接/JR新南陽駅から車で約9分)
公式サイト: 樹木葬あじさい霊園 / 運営: 株式会社原田屋
お電話: 0120-976-864
監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)
最終更新日: 2026-08-08

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