香典の相場は親5万〜10万円|表書きと中袋の書き方

しおん2026年09月01日

香典の平均額は、親が59,711円、兄弟姉妹が45,452円、祖父母が14,942円、職場関係が6,204円です。 ただし親で最も多い回答額は100,000円で、平均とは開きがあります。

一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会が令和3年度に行った調査(有効回答5,177件)の数字です。

葬儀に参列された会葬者にアンケート票を配って集めた調査のため、故人との関係ごとに回答数が大きく違います(祖父母3,080件に対し、親は121件)。

関係によって数字の確からしさが変わる点は、先にお含みおきください。

表書きは四十九日を境に「御霊前」から「御仏前」へ変わります。ただし浄土真宗では、葬儀の時点から「御仏前」です。

この記事でわかること

  • 故人との関係別の香典の金額(全国調査の実数)
  • 四十九日で表書きが変わる理由と、浄土真宗の例外
  • 新札を避ける理由と、中袋・連名・郵送の書き方

香典はいくら包めばよいですか

まず実際の数字をご覧ください。

故人との関係別 香典の金額

(実親・義理の親)は、最も多い回答額が100,000円、平均額が59,711円です(回答数121件)。
兄弟・姉妹は、最も多い回答額が50,000円、平均額が45,452円です(回答数84件)。

おじ・おばは、最も多い回答額が10,000円、平均額が18,285円です(回答数246件)。
上記以外の親戚は、最も多い回答額が10,000円、平均額が17,000円です(回答数234件)。
祖父母は、最も多い回答額が5,000円、平均額が14,942円です(回答数3,080件)。

取引先の関係は、最も多い回答額が10,000円、平均額が7,915円です(回答数82件)。
友人またはその家族は、最も多い回答額が5,000円、平均額が6,649円です(回答数271件)。
隣人・近所は、最も多い回答額が5,000円、平均額が6,285円です(回答数277件)。

職場関係は、最も多い回答額が5,000円、平均額が6,204円です(回答数420件)。
勤務先社員の家族は、最も多い回答額が5,000円、平均額が5,336円です(回答数244件)。

出典: 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「第6回香典に関するアンケート調査報告書(令和3年度実施)」。調査対象は同協会加盟互助会が受注した個人葬の会葬者、配布90,000部・有効回答5,177件(回収率5.75%)。回答数は同報告書「故人との関係別回答数」より(職場関係は勤務先の上司・同僚・部下と所属団体の関係者の合計)

平均額と「最も多い額」がずれるのはなぜか

親の欄をご覧ください。最も多い回答は10万円なのに、平均は約6万円です。

これは、10万円と3万円のように回答が分かれているためです。少額の回答が平均を引き下げています。

実際に最も多く選ばれている額は10万円のほうだという点は、押さえておいてください。

この調査は会葬者に配ったアンケートです。 そのため、亡くなったのが親という回答は121件と多くありません(祖父母は3,080件)。

親を送る立場では喪主として葬儀費用を負担することが多く、香典を出す側に回りにくいためと考えられます。

親・兄弟姉妹の数字は、少ない回答から出た平均だとご承知おきください。

報告書自身も、兄弟姉妹について最多回答額(50,000円)の前後の金額も多く、必ずしも最多回答額が一般的とは言い切れないとしています。

平均額はあくまで目安とお考えください。この調査は10のブロックに分けた地域別の集計も出しており、地域によって幅があります。

避けられる金額があります

4と9のつく額(4,000円・40,000円・9,000円など)は避けます。「死」「苦」を連想させるためです。

偶数も避けられます。「縁が切れる」を連想するとして、1・3・5などの奇数にする習わしがあります。

ただし20,000円は許容されることが多いです。1万円では少なく3万円では多い、という場面で使われます。

香典を辞退されることがあります

株式会社鎌倉新書の「第6回お葬式に関する全国調査」(2024年3月実施・有効回答2,000件。2022年3月〜2024年3月に喪主を経験した40歳以上が対象)では、有効回答の半数が家族葬でした。

同調査は前回比で家族葬が5.7ポイント減・一般葬が4.2ポイント増としており、増え続けているわけではありません。

家族葬では香典を辞退されることがあります。訃報に「香典・供物は固くご辞退申し上げます」とあれば、持参しないのが礼儀です。無理にお渡しすると、ご遺族に香典返しの負担が生じます。

表書きは四十九日を境に変わります

香典袋の表書きの選び方

通夜・葬儀(四十九日より前)の表書きは、御霊前です。
四十九日法要より後は、御仏前です。

浄土真宗では、最初から御仏前です。
宗派が分からない場合は、御香典です。

神式の表書きは、御玉串料・御榊料です。
キリスト教式では、お花料・御ミサ料です。

「御霊前」はまだこの世にとどまる霊に捧げるという意味、「御仏前」は仏になられた方へという意味です。四十九日の忌明けが、その境目になります。

浄土真宗では「御霊前」を使いません

浄土真宗では、亡くなればすぐに仏になると考えます。ですから霊の期間がなく、葬儀の時点から「御仏前」です。

山口県は浄土真宗のご門徒が多い地域といわれますので、ここは覚えておかれると安心です。

とはいえ、ご葬家の宗派が分からないことのほうが多いはずです。その場合は「御香典」と書けば、仏式であればどの宗派でも差し支えありません。

四十九日そのものの数え方は四十九日までにやることにまとめています。

名前は薄墨で、フルネームで

表書きの下段に、自分の姓名をフルネームで書きます。

墨は薄墨です。市販の薄墨筆ペンで構いません。

なぜ香典は新札を避けるのですか

「不幸を予期して用意していた」と受け取られないためです。

新札しか手元にない場合は、一度折り目をつけてから入れれば差し支えありません。

反対に、破れていたり汚れていたりするお札は避けます。「使用した形跡のある、きれいなお札」が望ましいとされます。

同じ日に用意するお布施とは、逆になります

薄墨は「涙で墨が薄まった」「急なことで墨をする間もなかった」という気持ちを表す作法です。

旧札も同じで、どちらも「突然のことでした」を形にしたものです。香典の作法は、この一点でつながっています。

ところが、同じ日にお寺へお渡しするお布施は「濃い墨・新札」——香典とちょうど逆になります。葬儀の日に両方を用意される方が取り違えやすいところです。

「香典は薄墨・旧札、お布施は濃い墨・新札」。ここを覚えておかれると迷いにくくなります。

お布施側の理由・封筒の選び方・渡し方はお布施は「濃い墨・新札」ですにまとめています。

中袋の書き方

表に金額、裏に住所と氏名を書きます。

ご遺族は香典返しの準備のために、この情報を整理されます。書いてあるほうが、ご遺族の手間が減ります。

金額は旧字体(大字)で

中袋には、包んだ額を次のように書きます。

3,000円は「金参仟円」、5,000円は「金伍仟円」です。
10,000円は「金壱萬円」、30,000円は「金参萬円」、50,000円は「金伍萬円」です。
100,000円は「金壱拾萬円」です。

あとから書き足して改ざんされることを防ぐための習わしです。「也」は付けても付けなくても構いません。

算用数字で「金10,000円」と書いても失礼にはあたりませんが、旧字体のほうが丁寧です。

中袋の記入事項と連名の書き方は、全日本葬祭業協同組合連合会「香典袋の書き方とマナー」の案内に沿っています。

中袋がない場合

香典袋によっては中袋が付いていません。その場合は袋の裏面の左下に、住所・氏名・金額を書きます。

なお、中袋つきの二重の封筒は「不幸が重なる」として避ける地域もあります。地域の習慣に合わせてください。

お札の入れ方

肖像画が裏側・下向きになるように入れるのが一般的です。顔を伏せる形です。

ただしお札の向きは地域や家によって言い方が異なり、厳密な決まりがあるわけではありません。 複数枚のときに向きを揃えておけば、失礼にはあたりません。

連名で出すときは

3名までなら、表書きの下段に全員の氏名を書きます。目上の方を右から順に並べます。

夫婦の場合は、右に夫、左に妻です。妻は名前だけでも構いません。

4名以上になると、「〇〇部一同」「〇〇家一同」または「代表者名 外一同」と書きます。

4名以上の場合は、白紙に全員の住所・氏名・金額を書いた紙を中袋に入れてください。 ご遺族が香典返しをされるときの手がかりになります。

郵送するときは現金書留で

参列できない場合、香典は郵送できます。ただし現金は現金書留に限られます。

日本郵便では、現金を送る場合は現金封筒(売価21円)を使い、現金書留とすると案内されています。

加算料金は480円(損害要償額1万円まで)で、以降5,000円ごとに11円ずつ加算され、損害要償額の上限は50万円です。

香典袋に入れたまま、現金封筒に納めます。
お悔やみの手紙を添えるのが丁寧です。

宛先は喪主です。葬儀場ではなく、ご自宅へ送るほうが行き違いになりません。

普通郵便で現金を送ることはできません。

郵便法第17条(現金及び貴重品の差出し方)が「現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留(中略)の郵便物としなければならない」と定めているためです。

出典: 日本郵便「書留」 / 郵便法(e-Gov法令検索)

よくあるご質問

Q. 香典に税金はかかりますか?

A. かかりません。国税庁は「個人から受ける香典で社会通念上相当と認められるもの」を贈与税がかからない財産として挙げています(タックスアンサーNo.4405)。

Q. 香典返しの費用は、相続税から差し引けますか?

A. 差し引けません。国税庁は香典返しの費用を葬式費用に該当しないとしています(タックスアンサーNo.4129)。読経料などのお礼は控除の対象です。

Q. 香典返しの相場はどのくらいですか?

A. いただいた額の半分(半返し)が目安とされます。一家の担い手を亡くされた場合などは3分の1程度でも差し支えないとされています。

Q. 通夜と葬儀の両方に参列します。香典は2回必要ですか?

A. 1回で構いません。 通夜にお渡しするのが一般的です。2回お渡しすると「不幸が重なる」として避けられます。

Q. 家族葬に呼ばれていませんが、香典を送りたいです。

A. 辞退の意向が示されていれば控えてください。 示されていなければ、後日ご自宅へ現金書留で送るか、お参りに伺うときにお持ちします。

Q. 一周忌や三回忌の香典はどう書きますか?

A. 「御仏前」です。四十九日を過ぎているためです。金額は葬儀のときより控えめでよいとされます(年忌法要の数え方)。

まとめ

  • 香典の平均額は親59,711円・兄弟姉妹45,452円・祖父母14,942円・職場関係6,204円(全日本冠婚葬祭互助協会 令和3年度調査)。ただし親で最も多い回答額は10万円。会葬者アンケートのため親・兄弟姉妹は回答数が少なく、平均は目安として見る
  • 表書きは四十九日を境に「御霊前」から「御仏前」へ。浄土真宗は最初から「御仏前」、迷ったら「御香典」
  • 香典は薄墨・旧札、お布施は濃い墨・新札。 中袋は表に金額(旧字体)、裏に住所氏名

出典

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監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)

最終更新日: 2026-09-01

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