樹木葬の生前契約は5ステップ|見学から支払いまでの流れと注意点

樹木葬2026年09月02日

樹木葬の生前契約は、資料請求 → 見学 → 申込 → 支払い → 使用許可証の受け取りという5つのステップで進みます。

ご遺骨がなくても契約できます。費用は契約時の一括前払いが一般的で、樹木葬あじさい霊園の場合は総合計319,000円(税込)、年間管理費は0円です。

ただしここには、多くの方が見落とす前提があります。契約で手に入るのは土地そのものではなく、「その区画を使用する権利」だということです。

この記事でわかること

  • 見学から支払いまでの5ステップと、それぞれで決めること
  • 契約前に確認しておきたい7項目
  • 途中で気が変わったときの扱いと、返金のルール

樹木葬の「生前契約」とは、何を契約するのですか

ご遺骨がまだない段階で、墓地の使用権をあらかじめ取得しておく契約です。

「生前予約」と呼ぶ霊園もありますが、多くは予約ではなく正式な契約です。申込書に署名し、代金を支払い、使用許可証を受け取ります。その時点で区画が確定します。

国民生活センターも、墓地の契約について「墓地の購入ではなく区画を使用する権利を得る契約です」と説明しています。土地の売買ではないので、後から人に売ったり貸したりはできません。

ここを「土地を買った」と思い込んだまま契約すると、解約や承継のときに認識がずれます。まず押さえておきたい一点です。

お墓のことを考え始めた段階の方は、終活は何から始める?もあわせてご覧ください。お墓は終活の中では、比較的早い段階で片が付く項目です。

見学から支払いまで、どう進みますか

樹木葬の生前契約 5つのステップ

1. 資料請求

価格表だけでなく、使用規則(契約約款)を一緒に取り寄せてください。判断に必要なことは、パンフレットではなく使用規則に書いてあります。

2. 見学

区画そのものより、お参りの動線を見ます。駐車場から区画まで何歩か、階段はあるか、水場と手桶はどこか。10年後、20年後に通うのはご家族です。

3. 申込

申込書と使用規則に署名します。住民票などの本人確認書類を求められることがあるので、事前に確認しておくと二度手間になりません。

4. 支払い

樹木葬は契約時の一括前払いが一般的です。分割に対応する霊園もありますが、後述する相続税の扱いから見ると、生前に払い切っておくほうが無難です(税の判断は税理士にご確認ください)。

5. 使用許可証の受け取り

これが権利の証明書になります。契約書の写しとあわせて、保管場所をご家族に伝えておいてください。 ここまでが生前契約です。

生前に契約しておくと、何が変わりますか

いちばん大きいのは、決める人が変わることです。

生前に契約する場合と、亡くなった後に契約する場合では、次のように違います。

決める人は、生前に契約するならご本人です。
亡くなった後に契約するなら、ご遺族です。

かけられる時間にも差があります。
生前なら、何ヶ所も見て比べられます。
亡くなった後は、四十九日までに決めることが多いです。

区画は、生前なら選べます(先着順)。
亡くなった後は、残っている区画からになります。

支払いは、生前ならご本人の現金からです。
亡くなった後は、相続財産からになります。

相続税では、生前に契約すれば、ご本人の現金が非課税財産に変わります。
亡くなった後に契約する場合は、現金のまま課税対象です。

家族が「決めさせられる」側にならない

亡くなった後は、葬儀・役所の手続き・お寺との相談が一度に押し寄せます。その渦中でお墓を選ぶのは、かなりの負担です。

先に決めておけば、ご家族は「連絡する」だけで済みます。

相続税では、現金が非課税財産に変わる

国税庁は、墓地や墓石、仏壇、仏具などは相続税がかからない財産だとしています(No.4108「相続税がかからない財産」)。

つまり生前に支払っておけば、課税対象の現金が非課税の財産に置き換わります。ただし相続税がかかるかどうかは基礎控除など全体の状況で決まるため、この置き換えが税額に効くとは限りません。

ただし注意点があります。 国税庁は別のページで、「被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません」と明記しています(No.4126)。

契約だけして代金が未払いのまま亡くなると、この効果はなくなります。 生前契約をするなら、支払いまで終えておくことが要点です。

「継承者がいない」を先に解決できる

株式会社鎌倉新書の「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」では、お墓を購入した方が重視した点として「継承者不要」が38.8%で3番目に挙がっています(同社ポータルサイト『いいお墓』経由で2025年に購入した1,267名への調査)。

跡継ぎのことは、ご本人が元気なうちに霊園と話をつけておくと、あとの負担が軽くなります。選択肢の整理はお墓の跡継ぎ・継承者がいないときの選び方にまとめました。

契約前に確認するのは、どの項目ですか

樹木葬の契約前に確認する7項目

生前契約は、契約から納骨までに年数が空きます。その間に規則も運営体制も変わりうるという前提で、次の7つを申込の前に確かめてください。

1. 使用期限(合祀の有無と起算日)

まず確認したい項目です。「永代供養」と書いてあっても、個別のまま置き続ける約束ではありません。厚生労働省の「墓地経営・管理の指針」(平成12年12月6日 生衛発第1764号)は、使用期限を無期限制・管理料継続制・有期限制・有期限更新制の4つに整理しています。

条項名のどこを見るかは合祀されない樹木葬とは?契約書で確認すべき5つの条項で詳しく解説しています。生前契約なら、納骨まで年数が空くぶん起算日の確認がより効いてきます。

2. 年間管理費

金額、支払い先、値上げの可能性。払う人がいなくなったらどうなるかまで聞いておきます。あじさい霊園は永代管理料33,000円が総合計に含まれ、年間管理費は0円です。

3. 総額に何が含まれるか

区画使用料・管理料・石板までは書いてあっても、彫刻代・納骨手数料・開閉費が別料金のことがあります。「納骨の日に追加で払うものはありますか」と聞くのがいちばん早いです。

4. 埋葬できる人数と範囲

何柱まで入れるか。ご夫婦だけか、お子様やご兄弟も入れるか。ペットの可否も含めて確認します。

5. 承継者がいないときの扱い

お墓は、預貯金のように相続人で分ける財産ではありません。民法897条は、墳墓などの所有権は「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」と定めています。承継者がいない場合に霊園がどうするか、名義と連絡先の届け出方法とあわせて聞いておきます。

6. 解約時の返金規定

使用規則に返還の条項があるかどうか。書いていなければ、原則として返らないと考えてください(詳しくは後述します)。

7. 宗旨宗派の条件

檀家になる必要があるか。将来お寺との関係が生じるか。ここは霊園によって大きく違います。

家族には、いつ、どう伝えますか

契約の前に、一度伝えてください。

事後報告になると、「お墓に入れないなんて聞いていない」「相談してほしかった」という形でこじれることがあります。故人を想う気持ちが強い方ほど、置いていかれたと感じます。

伝え方には順番があります。

まず、決定の報告ではなく、「検討している」段階で話します。

反対されたら、その場で説得せず、理由を聞くだけにします。

反対の理由としてよく挙がるのは「お参りの場所がなくなる」「世間体」です。
実際に見学に来ていただくと、受け止めが変わることがあります。

具体的な言い方は樹木葬に親族が反対したらにまとめました。

契約したあとは、使用許可証と契約書の写しの保管場所を共有しておいてください。書類が見つからないと、ご納骨のときにご家族が困ります。エンディングノートに霊園名・連絡先・契約日を書いておくと安心です。

途中で気が変わったら、どうなりますか

正直に申し上げます。原則として、支払った使用料は返ってきません。

国民生活センターも、墓地契約について「一般的には、自己都合による解約の場合は返金されません」とし、まず契約書や使用規則の解約規定を確認するよう案内しています。

そのうえで、知っておくと役に立つことが3つあります。

1. 返還規定を置いている霊園もある

まだ納骨も設置もしていない段階での解約について、使用料の全部または一部を返還すると使用規則に定めている霊園があります。

公営の例では、東京都霊園条例施行規則第14条第1項第1号が、埋蔵施設・長期収蔵施設について許可を受けた日から3年以内に届出と原状回復を行ったときは使用料の半額を還付すると定めています。

あるかないかは霊園ごとです。 だからこそ、契約前に「解約したときの規定はどこに書いてありますか」と聞いておきます。

2. 解約金が高すぎる場合の歯止め

消費者契約法は、解約に伴う損害賠償額の予定・違約金の条項について、同種の契約の解除に伴い「当該事業者に生ずべき平均的な損害の額」を超える部分を無効としています(第9条第1項第1号)。

納得できない金額を求められたときは、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターに相談できます。

3. クーリング・オフが使えるのは限られた場合

ご自分から霊園や店舗に出向いて契約した場合は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。

対象になるのは、訪問販売や電話勧誘販売など、特定商取引法が定める取引に当たる場合です。消費者庁は訪問販売について、「法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます」と案内しています。ご自宅に来られて契約した、電話で勧誘されたといった経緯があるなら、消費生活センターに事情を伝えて確認してください。

すでに納骨した後で気が変わったときは

改葬(お墓の引っ越し)という手段があります。市区町村の改葬許可が必要です。手続きは改葬許可申請のやり方|周南市・下松市・光市の窓口をご覧ください。

なお、全国の消費生活センター等からPIO-NETに登録された「墓」に関する相談は、2025年度で1,077件でした(国民生活センター、2026年5月31日現在。「葬儀サービス」は別集計で1,005件)。決して多い数ではありませんが、契約前の確認を省かない理由にはなります。

よくあるご質問

Q. 遺骨がなくても契約できますか?

A. できます。生前契約は、ご遺骨がない段階で使用権を取得しておく契約です。ご納骨は亡くなられた後、ご家族から霊園にご連絡いただいてから行います。

Q. 契約してから納骨まで、期間の制限はありますか?

A. 通常は制限がありません。ただし霊園によって規定が異なるため、使用規則で確認してください。年間管理費がある霊園では、納骨前から支払いが始まる場合があります。

Q. 契約者本人ではなく、家族が申し込んでもいいですか?

A. 対応している霊園が多いですが、名義をどなたにするかで承継の扱いが変わります。誰が使用者になるのかを、申込時にはっきりさせておいてください。

Q. 引っ越すことになったら、契約はどうなりますか?

A. 使用権はそのまま残ります。解約して返金を求めるか、そのまま持ち続けるかの判断になります。返金の可否は使用規則次第です。

Q. 支払いは分割にできますか?

A. 霊園によります。ただし代金が未払いのまま相続が始まると、その未払分は相続税の債務控除の対象になりません(国税庁No.4126)。税の扱いは税理士にご確認ください。

Q. 生前契約をしたことを、どこに残しておけばいいですか?

A. 使用許可証と契約書の写しの保管場所を、ご家族に口頭で伝えたうえで、エンディングノートに霊園名・連絡先・契約日を書き残しておくと安心です。

まとめ

  • 樹木葬の生前契約は資料請求→見学→申込→支払い→使用許可証の5ステップ。買うのは土地ではなく区画を使用する権利
  • 生前に支払いまで終えれば、現金が相続税の非課税財産に変わる。未払いのままだと効果はない(国税庁No.4108・No.4126)
  • 自己都合の解約では原則返金されない(国民生活センター)。使用期限・年間管理費・解約規定の3つは、契約前に使用規則で確かめておく

出典

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▼見学だけ、資料だけでも大丈夫です。決めていない段階のご相談で構いません。

樹木葬あじさい霊園 公式サイト

お電話: 0120-976-864(株式会社原田屋・山口県周南市本町2丁目15)

監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)
最終更新日: 2026-09-04

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