樹木葬の埋葬方式は3つ|骨壺のままか、粉骨して土に還すか
樹木葬2026年09月12日
樹木葬の埋葬方式は、大きく3つに分かれます。骨壺(骨壷)のまま個別に安置する・粉骨して土に直接埋葬する・合祀(ごうし)する、の3つです。
方式によって変わるのは、主に「土に還るか」「あとから取り出せるか」「いくらかかるか」の3点です。
費用の差は小さくありません。都立霊園の樹林墓地では、申込区分が「遺骨」と「粉状遺骨」に分かれ、使用料は1体あたり95,000円と31,000円です(多磨霊園2号基・令和8年度募集)。
この記事でわかること
- 3つの埋葬方式で、具体的に何が変わるのか
- 「骨壺のまま」と「粉骨」で費用の構造が変わる理由
- どの方式が自分に向くかを決める4つの判断軸
樹木葬の埋葬方式は、どう分かれますか?
分かれ目は2つです。骨壺を使うか使わないか、そして個別か他の方と一緒か。
樹木葬という言葉に法律上の定義はありません。墓標が樹木や草花であるという点は共通していますが、ご遺骨の納め方は霊園ごとに違います。
大きく整理すると、次の3つになります。
骨壺のまま個別安置する方式では、ご遺骨は骨壺に入ったままです。
土には還りません。
あとから取り出すことは、使用規則によっては可能です。
粉骨して土に直接埋葬する方式では、ご遺骨を粉状にして土の中へ納めます。
土に還ります。
あとから取り出す場合は、土と混ざった状態になります。
合祀では、ご遺骨は他の方のご遺骨と一緒になります。
土に還るかどうかは、施設によります。
あとから取り出すことはできません。

なお、どの方式であっても、埋葬する場所が「墓地」として許可を受けた区域である点は変わりません。「墓地、埋葬等に関する法律」は、墓地を都道府県知事(市・特別区では市長または区長)の許可を受けた区域と定め(第2条第5項)、焼骨の埋蔵を墓地以外の区域で行ってはならないと定めています(第4条第1項)。
自宅の庭に埋めることはできない、ということです。
骨壺のまま納めると、何が変わりますか?
ご遺骨の形が残ります。そのぶん、区画が大きくなります。
骨壺のまま納める方式では、地中に石室やカロート(納骨室)を設け、その中に骨壺を安置します。一般墓の納骨の仕方に近い形です。
利点は、ご遺骨が納めたときの姿のまま保たれることです。使用規則で認められていれば、あとから取り出して別の場所へ移す(改葬する)余地が残ります。
一部を分けて別のお墓や納骨堂に納めたい場合も、骨壺があるほうが話は早くなります。他の墓地等に分骨を納める際は、いまの墓地の管理者は、請求があれば「埋蔵の事実を証する書類」を交付しなければならないと定められています(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条第1項)。
一方で、骨壺のままでは土に還りません。 「自然に還りたい」という思いから樹木葬を選ばれた方には、ここが引っかかることがあります。
もうひとつは費用です。骨壺が入る空間を地中に確保する必要がありますので、1人あたりの区画が大きくなり、造成費もかかります。
周南市の福田寺にも、骨壺のまま納める樹木葬があります
周南市の福田寺(山口県周南市大字徳山4718)が管理する「周南樹木葬」は、公式サイトで「お申し込みされた個別の石室区画に、収骨されたご遺骨を骨壺のまま全て埋葬いたします」と案内しています。
同サイトはあわせて、契約期間は個別の墓標のもとで眠れること、期間は任意で延長できること、承継者がいなくなった場合などは永代供養墓へ改葬することを記載しています。
どちらが優れているという話ではありません。 方式が違えば、区画の設計も、費用の組み立ても、承継が途絶えたときの扱いも変わる、ということです。
粉骨して土に直接納めると、何が変わりますか?
土に還ります。その代わり、納めたときの姿には戻りません。
粉骨とは、焼骨を粉状に砕くことです。粉状にすると体積が小さくなり、土に直接納めやすくなります。
公営霊園の例が分かりやすいので、そのまま引きます。東京都立霊園の樹林墓地(樹林型合葬埋蔵施設)は、使用の手引で次のように定めています。
樹木の周辺に、遺骨を納骨袋に入れた状態で、直接、土に触れるかたちで「個別に」1体ずつ埋蔵します
一度埋蔵した遺骨は、お返しすることはできません
同じ手引には、粉状遺骨の区分で申し込んだ場合は納骨時までに遺骨を粉状にしておく必要があること、遺骨を納めた骨壺等は返却できないことも書かれています。
ひとつ補っておきます。この樹林墓地は、正式には「樹林型合葬埋蔵施設」です。1体ずつ個別に埋蔵しますが、個別の区画を持つ形ではなく、納骨のときに「遺骨共同埋蔵承諾書」に記名する仕組みになっています(同手引「納骨手続きの手順」)。粉骨して土に直接納める方式の例として読んでください。
粉骨そのものは、法律で義務づけられた手続きではありません。「墓地、埋葬等に関する法律」にも同法施行規則にも、焼骨を粉状にしなければならないという定めはないためです。霊園がどう設計しているかの問題です。
粉骨の費用や方法は粉骨とは?費用と方法にまとめています。
費用が下がるのは、区画が小さくて済むからです
先ほどの都立霊園の数字をもう一度見てください。同じ樹林墓地でも、遺骨は1体あたり95,000円、粉状遺骨は31,000円(多磨霊園2号基)。雑司ケ谷霊園では112,000円と37,000円です。
同じ施設・同じ場所なのに、約3倍の開きがあります。
粉状にすれば必要な空間が小さくなり、1か所あたりの造成費と維持費が下がります。その差が使用料に表れている、と読むことができます。
樹木葬全体の費用感は樹木葬の費用相場と内訳をご覧ください。
合祀は、ほかの2つと何が決定的に違いますか?
他の方のご遺骨と混ざるため、特定して取り出すことが物理的にできなくなります。
合祀は、3つのなかでは費用を抑えやすい方式です。個別の区画も、個別の管理も要らないためです。
都立霊園の合葬埋蔵施設の使用料にも、それが表れています。八柱霊園では、納骨時に速やかに共同埋蔵する区分が1体あたり53,000円、使用許可日から20年間個別に保管したあと共同埋蔵する区分が131,000円です(令和8年度募集)。
同じ施設でも、個別に保管する期間があるかどうかで使用料の設定が変わっている、ということです。
注意していただきたいのは、「一定期間だけ個別、その後は合祀」と定めている霊園があることです。パンフレットに「個別区画」と書いてあっても、何年後に合祀へ移るのかは使用規則を見なければ分かりません。
契約書のどの条項を見るかは合祀されない樹木葬とは?契約書で確認すべき5つの条項で解説しています。
どの方式が、自分に向いていますか?

判断の軸は4つです。順番に考えると迷いにくくなります。
1. 将来、移す可能性があるか
転勤や帰郷で、あとからお墓ごと移したくなる方がいらっしゃいます。可能性が残るなら、取り出しの条件を先に確認してください。手続きの流れは樹木葬の遺骨は移せる?にまとめています。
2. 「土に還したい」のか、「形を残したい」のか
ここはご家族で割れやすいところです。「自然に還してあげたい」と「形が無くなるのは忍びない」は、どちらも自然な気持ちです。方式を選ぶ前に、この一点だけは話し合っておいてください。
3. 費用と、区画の大きさ
株式会社鎌倉新書の調査では、樹木葬の平均購入金額は71.7万円でした(2026年1月調査・『いいお墓』経由の購入者1,267件)。同じ「樹木葬」でも金額の幅は大きく、埋葬方式の違いはその要因のひとつと考えられます。
粉骨して土に還す方式は、区画が小さいぶん総額を抑えやすくなります。骨壺のまま納める方式は、そのぶん空間を確保する費用がかかります。
4. 承継者がいるか
管理料が続く契約なら、誰が払い続けるのかを決めておく必要があります。承継者がいない場合の考え方はお墓の跡継ぎがいないときをご覧ください。
そして共通してお願いしたいのが、パンフレットではなく使用規則(使用契約約款)の現物を見せてもらうことです。埋葬方式は、たいてい書面に書かれています。
樹木葬あじさい霊園は、どの方式ですか?
粉骨して土に直接埋葬する方式です。
料金は1霊で総合計319,000円(税込)。内訳は区画使用料253,000円・永代管理料33,000円・石板(白)33,000円で、永代管理料はこの総合計に含まれます。年間護持費は0円です。2霊は総合計429,000円(税込)。2025年11月開設の第2区画の価格です。
合祀はいたしません。 期限を設けて合祀へ移す運用はしておらず、永代にわたり個別区画のままです。
取り出しはできます。ただし土と混ざります
粉骨して土に直接納めますので、ご遺骨をお戻しすること自体はできます。 ただし土と混ざるため、土と混ざった状態でのお戻しになります。 納めたときの姿でお返しすることはできません。
ここをご理解いただけるのであれば、取り出しは可能です。改葬の手続きと契約前の確認項目は樹木葬の遺骨は移せる?にまとめていますので、将来の改葬や手元供養をお考えの場合は、ご納骨の前にご相談ください。
宗派は問わず、檀家になる必要もありません。納骨式は岩屋寺のご住職に真言宗の作法でお経をあげていただきます。ペットも、ご家族と一緒のご納骨であれば納骨料はいただきません(ペットの粉骨料は1体11,000円・税込)。
霊園は山口県周南市下上2215-1、岩屋寺の境内にあります。園内の様子はあじさい霊園の特徴をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 骨壺のままだと、いつか土に還りますか?
A. 還りません。骨壺に納めたままでは土に触れないためです。自然に還すことをお望みなら、粉骨して土に直接納める方式かどうかを確認してください。
Q. 粉骨は法律で決まっているのですか?
A. いいえ。墓地、埋葬等に関する法律にも同法施行規則にも、焼骨を粉状にしなければならないという定めはありません。霊園ごとの方式の違いです。
Q. 「個別区画」と書いてあれば、骨壺のままですか?
A. 別の話です。個別区画でも粉骨して土に還す方式はあります。区画が個別かどうかと、ご遺骨をどう納めるかは、分けて確認してください。
Q. 夫婦で方式を変えることはできますか?
A. 同じ区画に納める場合は、その霊園の方式に従うことになります。どうしても分けたい場合は、それぞれ別の場所を選ぶ形になりますので、事前にご相談ください。
Q. 見学のとき、どう聞けばいいですか?
A. 「ご遺骨は骨壺のまま納めますか、粉骨して土に直接ですか」「取り出したいと言った場合、どうなりますか」の2つを、書面のどこに書いてあるかまで聞いてください。
まとめ
- 樹木葬の埋葬方式は骨壺のまま個別安置・粉骨して土に直接埋葬・合祀の3つ。変わるのは「土に還るか」「取り出せるか」「費用」
- 粉骨するかどうかで費用は大きく変わる。都立霊園の樹林墓地は遺骨95,000円・粉状遺骨31,000円(多磨霊園2号基・令和8年度募集)。区画が小さくて済むことが背景にあります
- 「個別区画」と「骨壺のまま」は別の話。 パンフレットではなく使用規則で、ご遺骨の納め方と取り出しの条件を確認してください
出典
- 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条第5項・第4条第1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年厚生省令第24号)第5条第1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100024
- 東京都建設局・公益財団法人東京都公園協会「令和8年度 都立霊園の使用者を募集します」(令和8年5月25日) https://www.tokyo-park.or.jp/association/assets/reien_pressrelease_20260525.pdf
- 公益財団法人東京都公園協会「都立霊園 樹林墓地 使用の手引」(平成25年2月発行・令和6年11月改訂) https://www.tokyo-park.or.jp/reien/use/pdf/tebiki_jyurin.pdf
- 福田寺「周南樹木葬」公式サイト https://fukudenji.or.jp/jyumokusou/
- 株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」(2026年1月16日〜30日調査・2025年に『いいお墓』経由で購入した方・有効回答1,267件。樹木葬の平均購入金額71.7万円) https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12153/
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お電話: 0120-976-864(株式会社原田屋・山口県周南市本町2丁目15)
監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)
最終更新日: 2026-09-07

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