樹木葬の遺骨は移せる?合祀後は事実上できません|契約前の5項目

樹木葬2026年09月06日

樹木葬に納めたご遺骨をあとから別の場所へ移せるかどうかは、合祀(ごうし)される前か、あとかで決まります。

個別に安置されている間なら、移せる可能性があります。合祀されたあとは、他の方のご遺骨と混ざるため、事実上できません。

そして移すときには、市町村長の改葬許可が要ります(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)。

この記事でわかること

  • 個別安置と合祀で、何が決定的に変わるのか
  • 移すときに必要な手続きと書類
  • 契約前に「取り出せるか」を確かめる5項目

個別安置と合祀で、何が変わるのですか?

変わるのは「取り出せるかどうか」そのものです。

個別安置中と合祀後で変わること

合祀とは、骨壺からご遺骨を取り出し、他の方のご遺骨と一緒に埋葬することです。

一度混ざってしまうと、どれがどなたのご遺骨かを特定して取り出すことは、物理的にできなくなります。

永代供養墓(埋蔵委託管理型)では、骨壺のまま安置されている段階でご遺族から返還を求められ、直ちに応じなかったことで運営者側に200万円の損害賠償が命じられた判決があります(京都地方裁判所 平成17年(ワ)第2092号。公益社団法人全日本墓園協会「墓地の経営・管理に関するFAQ」8より)。

つまり、返還を求める余地が残っているのは合祀の前まで。そのあとは、話し合いの余地すら物理的に消えてしまいます。

なお、全国の改葬件数は近年増える傾向にあります。厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例」では166,886件でした(2023年度)。移すこと自体は、決して珍しい選択ではありません。

「合祀されない」なら、いつでも取り出せますか?

いいえ。ここは分けて考えてください。

「合祀されない」ことと「納めたときの姿のまま取り出せる」ことは、別の話です。

樹木葬には、ご遺骨の納め方が何通りかあります。

取り出せるかどうかは、この納め方によって変わります。

骨壺のまま個別に安置する場合は、使用規則によっては取り出せます。
布の袋などで個別に埋葬する場合は、年月が経つと回収が難しくなります。
粉骨して土に直接還す場合は、取り出せますが、土と混ざった状態になります。
合祀墓に埋葬する場合は、取り出せません。

合祀しない霊園でも、土に還す方式なら、お戻しできるのは土と混ざった状態のご遺骨です。 個別区画であることと、納めたときの姿で戻ってくることは、イコールではないのです。

契約書に「合祀しません」とあるだけでは判断できません。ご遺骨をどう納めるのかまで聞いてください。納め方ごとの向き不向きは樹木葬のデメリット7つでも取り上げています。

契約書のどの条項を見るかは合祀されない樹木葬とは?契約書で確認すべき5つの条項にまとめています。

いつまでなら移せますか?

霊園ごとに、使用規則で定められた「使用期限」までです。

厚生省(現・厚生労働省)の通知「墓地経営・管理の指針等について」(平成12年)は、墓地の使用期限を4つの類型に整理しています。

1つ目は無期限制です。
使用期限の定めがありません。

2つ目は管理料継続制です。
使用期限の定めはありません。
ただし、管理料が支払われなくなると、一定期間(通知の例では3年)で使用権が消滅し、納骨堂や合葬墓へ改葬されます。

3つ目は有期限制です。
30年などの期限があり、経過後は納骨堂や合葬墓へ改葬されます。

4つ目は有期限更新制です。
期限後も、利用者が明らかで管理料が納められていれば、申し出により更新されます。

期限の区切りを年忌に合わせ、13回忌(満12年)・17回忌(満16年)・33回忌(満32年)としている霊園もあります。

ここで見落としやすいのが起算日です。契約日から数えるのか、最初のご納骨からか、最後のご納骨からか。同じ「30年」でも、起算日が違えば実際に個別で置ける年数は大きく変わります。

同じ通知は、「永代使用」と表示しながら実際は管理料継続制や有期限更新制であることもあるとして、具体的な内容が正しく利用者に理解される必要があると指摘しています。

もうひとつ、期限より先に来る区切りがあります。管理料の滞納です。

管理料継続制では、そもそも使用期限の定めがありません。代わりに、支払いが途絶えて一定期間が過ぎたら使用権が消え、納骨堂や合葬墓へ移す、という定めになります。「何年まで」ではなく「払い続けている間だけ」という約束です。

ご家族の代替わりで連絡先が変わったまま、というのが典型です。承継の届け出を出しているかも、あわせて確認しておいてください。

移すときは、どんな手続きが要りますか?

市町村長の改葬許可が必要です。

墓地、埋葬等に関する法律は、改葬を「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」と定めています(第2条第3項)。

許可を出すのは、いまご遺骨がある場所の市町村長です(第5条第2項)。移転先ではありません。

そして移転先の墓地・納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取ったあとでなければ、ご遺骨を埋蔵・収蔵させてはならないと定められています(第14条第1項・第2項)。許可証がなければ、受け入れ先は納骨できません。

手続きで使う書類は3つあります。

1つ目は改葬許可申請書です。
いまご遺骨がある市町村の窓口が発行します。

2つ目は埋蔵(収蔵)の事実を証する書面です。
いまの霊園・お寺の管理者が発行します。

3つ目は、求められる場合に使う受入証明書です。
移転先の霊園・納骨堂の管理者が発行します。

2つ目は「埋蔵証明書」と呼ばれることが多い書類で、添付が省令に定められています(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条第2項第1号)。

3つ目の受入証明書は省令に明記された書類ではなく、「市町村長が特に必要と認める書類」(同項第3号)として求められる場合があります。

順番に注意してください。申請書には「改葬の場所」を書く欄があり(同条第1項第6号)、自治体によっては受入証明書の添付も求められます。移転先を先に決めておくのが基本の流れです。

周南市・下松市・光市の窓口と書き方は改葬許可申請のやり方で解説しています。

散骨や手元供養に移す場合はどうなりますか?

扱いが分かれます。自治体への確認が要ります。

法律上の「改葬」は、他の墳墓または納骨堂に移すことを指します。散骨や手元供養は、その定義に当てはまりません。

東京都保健医療局も、他のお墓や納骨堂へ移す場合は改葬許可が必要としたうえで、散骨のために取り出す場合は区市町村により取扱いが異なるとして、確認を促しています。

一方で、霊園やお寺の側から書類の提示を求められることがあり、実務上は改葬許可証が必要になる場面もあります。

先に自治体の窓口と霊園の管理者の両方に聞く。 これがいちばん確実です。

そしてもうひとつ。海へお還ししたご遺骨は、二度と手元に戻りません。全部を撒くか一部を残すかは、取り出す前にご家族で決めておかれるほうが、あとの迷いが少なくて済みます。

契約前に「取り出せるか」を確かめる5項目

樹木葬の契約前に「取り出せるか」を確かめる5項目

パンフレットではなく、使用規則(使用契約約款)の現物を見せてもらってください。そのうえで、次の5つを確認します。

  1. 合祀までの期限は何年で、起算日はいつか
  2. ご遺骨をどう納めるのか(骨壺のままか、土に還すか)
  3. 個別安置の間に取り出せるか。費用はいくらか
  4. 管理料を滞納すると、何年で使用権が消えるか
  5. 承継者がいなくなったら、何年後にどうなるか

答えが書面のどこに書いてあるかまで指し示せる霊園なら、まず信頼できます。「大丈夫ですよ」と口頭で流される場合は、書面での確認をお願いしてください。

なお、2と3は言い換えれば「あとから気が変わったときに、やり直せますか」という質問です。

やり直せる霊園がよい霊園、という話ではありません。土に還す方式には土に還す方式の良さがあります。ただ、どちらを選んだのかを知らないまま契約しないでいただきたいのです。

樹木葬あじさい霊園は、どうなっていますか?

当園は合祀されません。 期限を設けて合祀へ移す運用は行っておらず、個別区画のままです。

料金は総合計319,000円(税込)。区画使用料253,000円・永代管理料33,000円・石板(白)33,000円の合計で、永代管理料は総合計に含まれています。年間管理費は0円です。

園内の様子はあじさい霊園の特徴をご覧ください。

取り出しはできます。ただし土と混ざります

当園は粉骨(ふんこつ)して土に直接還す方式です。ご遺骨をお戻しすること自体はできます。

ただし粉骨したご遺骨は土に直接納めるため、お戻しするときには土と混ざった状態になります。納めたときの姿でお返しすることはできません。

この点をご理解いただけるのであれば、あとから改葬や手元供養へ切り替えることもできます。ご納骨の前に一度ご相談ください。隠さずお伝えしたうえで、ご判断いただきたい点です。

よくあるご質問

Q. すでに合祀された後でも、改葬の手続きはできますか?

A. 手続き以前に、取り出すことが事実上できません。他の方のご遺骨と混ざるため、どれがどなたのものかを特定できなくなるためです。判断できるのは契約の時点までとお考えください。

Q. 改葬許可は、移転先の市町村に申請するのですか?

A. いいえ。いまご遺骨がある場所の市町村長に申請します(墓地埋葬法第5条第2項)。移転先の受入証明書の添付を求める自治体もあります。

Q. 使用期限が過ぎたら、勝手に合祀されてしまうのですか?

A. 使用規則にその定めがあれば、期限の経過で合葬墓などへ移されます。何年後か、起算日はいつかを契約前に書面で確認してください。

Q. 樹木葬から海洋散骨に切り替えることはできますか?

A. 合祀される前であれば可能です。土に還す方式では土と混ざった状態でのお戻しになるため、その状態で散骨できるかも含めてご相談ください。散骨のための取り出しは自治体で扱いが異なるので、窓口と霊園の両方への確認が要ります。

Q. 一部だけ取り出して手元に残すことはできますか?

A. 霊園によります。分骨の可否と手数料は使用規則に定めがあるかどうかも含めて、契約前にご確認ください。

まとめ

  • 樹木葬のご遺骨を移せるかは、合祀の前か後かで決まる。合祀後は事実上できない
  • 「合祀されない」と「納めた姿のまま取り出せる」は別の話。 土に還す方式では、お戻しは土と混ざった状態になる
  • 移すにはいまご遺骨がある市町村長の改葬許可が必要。申請書に「改葬の場所」を書くので移転先を先に決める

出典


▼ご契約の前に、使用規則の現物をご覧になりませんか

樹木葬あじさい霊園

お電話: 0120-976-864(株式会社原田屋・山口県周南市本町2丁目15)

監修: 株式会社原田屋(山口県周南市・創業108年)
最終更新日: 2026-09-04

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